ハイパーコンパージド、今が熱い!

会社では仮想化ソフトウエア(ハイパーバイザーと言う)として、VMwareのESXiを2013年に導入した。ハイパーバイザーは、スーパーバイザー(OS:オペレーティングシステム)よりも上の層で使われる。ハイパーバイザーは、ESXiは圧倒的なシェアを誇るが、ESXi以外にも有名どころで次のがある。
・VMware ESXi
・Xen
・Microsoft Hyper-V
・KVM
等。

Windows Serverを利用すれば、自ずとHyper-Vは利用できるし、Windows10からは気軽にHyper-Vを利用できる。個人的には、MacOS上にVMware Fusionを入れ、Windows10やピンポイントで評価版のWindows Serverを入れて弄(いじく)ったりしている。参考までに、Windows評価版の期限をリセットするには、「slmgr /rearm」コマンドを実行する。

ハイパーバイザーには2種類あり、
・ホスト型ハイパーバイザー
(MacOSやWindows等のOSの中にソフトウエアとして利用するため、OS経由する)
・ベアメタルハイパーバイザー・ネイティブハイパーバイザー
(OSの外、サーバに直接インストールする)
一般的にベアメタルハイパーバイザーをハイパーバイザーと呼ばれている。

絵でもわかるように、ホスト型ハイパーバイザーの場合は、ハードウエアを操作するにあたってはOS経由となる。一方、ベアメタルハイパーバイザーは、直接ハードウエア(bare metal:ベア メタル)を弄くれるため、最大限にパフォーマンスが得られるため、現在主流の仮想化基盤となっている。

ここでは、ベアメタルハイパーバイザーを以降、ハイパーバイザーとして説明していく。

 

ハイパーバイザーを利用するにあたっては、ゲストOSを載せるホストサーバとゲストOSを保存するストレージ(ディスク)が必要となる。これらのサーバをくっつけ合わせる仕組みとして、次の3種類ある。
・DAS(Direct Attached Storage)
・NAS(Network Attached Storage)
・SAN(Storage Area Network)

会社には贅沢にもSANを入れて、約70台のゲストOS(仮想マシン)を立てて利用している。ただ、この構成は後ほど説明するが、コスト的に苦しむ結果に至る。

DAS NAS SAN
ストレージ接続方法 直接 LAN(ネットワーク) ストレージ専用のネットワーク
接続ケーブル SAS(Serial Attached SCSI)等 LAN FC、iSCSI等
導入コスト 安価 安価 高価
アクセス速度 サーバ経由のため遅い ネットワークに依存 負担もなく高速
運用リスク サーバ障害時に利用不可 ネットワーク混線時に影響 高額以外は特になし
管理リスク 専門性不要のため低価格 専門性不要のため低価格 専門性必要のため高価格

一般的にサーバを購入なう!とかといった場合はDASとなる。ファイルサーバや、バックアップサーバとしてディスクが欲しいな、といった場合にはNASを利用する。こういったDAS、NASは特に考え込まなくても利用できるものの、SANとなると、ベンダーに委託が必要となる。逆に、ベンダーに委託する理由の大きなポイントとしては、「安全・安心・短期納入」という所だろう。

SANの構成として、最初はホストは2台でストレージは1台にエンクロージャー(シャーシー:HDDを入れる箱)を4台接続した構成となっていた。その後、物理サーバで動いていたグループウエアを仮想化に載せるため、ホストを1台追加し、エンクロージャーを2台追加し、増強を行った。この増設が比較的、SE作業費が膨らみ、いい値段になった記憶がある。

ホストを追加したために、FCSW(FCスイッチ:ファイバーチャネル:光ケーブル)の空きポート不足と陥っているのが現状。ではなぜ、FCSWを大きいポート数のものにしなかったのか?それは、コスト面の問題。5年リースと考えた場合、そろそろリソース不足になるのが3〜4年目となり、そろそろ更新を検討しなくてはいけない時期となる。リソースのうち8割程利用すれば大成果、半分切れば計画失敗となるだろう。

この構成だと、ホストを追加すればストレージ不足となる。ストレージを追加すれば、ストレージ内のディスクを構築していかなくてはならない。色々と各システムが複雑に構成されているため、至る所でチューニングが必要となる。

更に言えば、ハイパーバイザーのソフトサポートが切れる前に、保守を受けるためにバージョンアップが必要だ。2013年に入れているわけなので、当時のvCenterのバージョンは5.1。これは2018年8月でEOL(サポート期限)。現在最新のバージョンは、6.5 Update 1。2018年9月にリース満了を迎えるため、当社の場合はぎりぎりといったところかもしれない。こういったハイパーバイザーをアップデートするには、色々なリスクがある。但し、再リースを行うのであれば、ハイパーバイザーのアップデートが必要になってくる。どちらを採用するかは、経営層が承認するかに依存するかもしれない。

 

そういった、個々のハードウエアを導入し、それを一本化させ、チューニングさせたりする不便さを解決してくれるのが、「ハイパーコンパージド」製品。コンパージドとは「集約した」という意味。つまりホスト向けサーバやストレージ、それらを繋げるネットワークといったハードウェアと、ハイパーバイザや管理ツールといったソフトウェアをあらかじめ構成させ、一体化されたシステムとして販売されるITインフラ基盤こそが、ハイパーコンパージド製品である。

そして、各社がハイパーコンパージド製品を競い始めており、長い目(10年とか)で見た時に、中小企業にとっても非常にメリットが出てくるに違いない製品と思っている。Hyper-Converged Infrastructureを略して、HCIと呼ばれているが、聞いたことがない。

ハイパーコンパージド製品は、いまが熱い!各社色々と出している。
NUTANIX(2016年シェア52%以上)
HPE SimpliVite(2017年国内リリース)、Hyper Converged(SimpliViteを押している)
VxRail(DELL EMCとVMware共同開発)
Cisco HyperFlex(2016年国内リリース)

NutanixはSupermicro製を採用した自社製品の他に、HPEやLenovoにソフトウエアとして提供しているモデルがある。HPEにはHyper-V対応のHyper Convergedがあるが、ここではSimpliVity(シンプリビティ)で比較をする。

Nutanix HPE SimpliVity VxRail HyperFlex
メーカー Nutanix
HPE
Lenovo
DELL
Cisco
HPE DELL Cisco
ハイパーバイザー VMware
Hyper-V
Acropolis (KVM)
VMware VMware VMware
SSD/HDDハイブリッド オールフラッシュ
*ハイブリット版はリリース予定
×? ×?
重複排除
クラウド連携

SimpliVityは2017年4月に買収し6月に国内リリースしたHPE(日本ヒューレット・パッカード)。SimpliVityの大きな特徴は、データのインライン重複排除/圧縮処理を行うハードウェアアクセラレーターカードを搭載している点。これにより、稼働中のアプリケーションパフォーマンスに影響を与えることなく、リアルタイムでデータ処理を実行できるという。一方、Nutanixはメモリが安価になってきたため、アクセラレーターではなくても十分対応できるという考え方。

更に、SimpliVityは重複排除や圧縮技術に関しても優れており、一般的なブロックサイズ(256~8192KB)よりも細かい8KBブロック単位で重複排除処理を行うなどの技術によって、平均60~70%という高いデータ削減率を実現しているのも特徴。また、データ移動が最小化されていることで、1TBの仮想マシンであれば、平均60秒でバックアップ/リストアできるという。

HPEは「米Nutanixと並んでHCI製品のリーダーとして評価されている。海外でのユーザーによる評価は高い」とアピール。「米Nutanixは歴史が長く日本で売れているが、できればHPE SimpliVity 380が日本でシェア1位をとりたい」と展望している(impress、2017.06.15)。

一方、ハイパーコンバージドの先駆者であるNutanixは、2009年に創業し、すでに世界80カ国以上に4,473社を超える顧客を要している実績がある(EnterpriseZine、2017.02.01)。

更にNutanixの場合は、同じ製品を揃える必要はなく、適したモデルを組み合わせれば良いとのことだ。ディスク容量が不足しているのであれば、ストレージ専用モデルNX-6000シリーズで接続すれば良いとのことだ。

 

これをHPE SimpliVityで行おうとしても、同じ筐体を買う必要がある。せっかくストレージ専用のMSAがあるというのに、接続できないとのことだ。

NutanixやHPE SimpliVity以外にも、富士通やNECとかもハイパーコンバージド製品を取り扱われているため、コストメリットが見出せるのであれば、情報収集でき次第、執筆していきたい。

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