
何気に使いやすいIE (Internet Explorer) 11のサポート終了についてリリースがあった。今後、企業用Webアプリは、IE11が使えなくなると、ホントに大変なことになりそうだ。
Microsoft 365 apps say farewell to Internet Explorer 11 and Windows 10 sunsets Microsoft Edge Legacy(Microsoft Tech Community)によると、Microsoft365 (M365)での利用において、2021年8月17日をもって利用終了となるアナウンスだ。
メールとかTeamsとかは、Microsoft 365アプリ製品。WordやExcelやPowerPointなどのサブスクリプション型Officeも、Office365 Pro Plusから、Microsoft 365 Apps for enterpriseという製品名称変更している。
日本だけ?に存在する買い切り(永続版)Officeは、Office 2019をリリースした2018年9月では、次期バージョンも永続版ライセンスは出すというような発表をしていた(→参考:MicrosoftがOffice 2019を発売、次期版のリリースも確約 – Computerworld、2018.09.26-)が、Office365がMicrosoft365に変わるなど、先のことは読めない。まして、2020年代、サブスクリプション元年と言える程に、あらゆるものがサブスクリプション(サブスク)になってきた。自動車業界も、サブスク販売をしてくるなど、目まぐるしい世の中となった。Officeは3年毎の更新で行われるケースが多いため、次回はOffice 2022となり、もう来年の話となっている。果たして、買い切り版が出るのかしら?という不安さえある。
まぁ、これらのアプリ(Microsoft365 Apps)利用にあたってIE11が使えなくなるだけであって、代替製品として、Google Chromeがあったり、Chromeと同じChromiumベースで開発されたMicrosoft Edgeもまずまずの出来の製品に仕上がっている。
旧Microsoft Edge 来年3月にサポート終了、Chromiumベースの新Edgeに移行を – マイナビ、2020.08.18- によると、旧Microsoft Edgeは2021年3月にサポート終了、Windows 10 20H2アップデートから、Windows 10にChromiumベースの新しいEdgeを搭載して提供という記載がある。
話を戻そう。IE11は、2020年11月30日にMicrosoft Teamsアプリでのサポートを終了。2021年8月17日にOffice、OneDrive、Outlookといった他のMicrosoft 365アプリに拡大する。サポート終了後は、IE11を使用した場合、Microsoft 365アプリの新機能や一部の機能を利用できなかったり、接続できなくなるという。ただ、ポイントは次で、「IE11が無くなることではない」ということだ。これは、OSに紐づいたサポート期間に紐づけられる。
一目で分かる、Internet Explorer(IE)のサポート終了時期 – @IT、2019.09.18- にわかりやすい記事がある。
Client OS | IE | サポート終了日(日本時間) |
---|---|---|
Windows 8.1 | IE11 | 2023年1月10日 |
Windows 10(LTSB/LTSC以外) | IE11 | 2025年10月14日 |
Windows 10 Enterprise 2015 LTSB | IE11 | 2025年10月14日 |
Windows 10 Enterprise 2016 LTSB | IE11 | 2026年10月13日 |
Windows 10 Enterprise 2019 LTSC | IE11 | 2029年1月9日 |
Windows 10 Enterprise 2019 LTSCという、Long-Time Servicing Channel向けに提供しているIE11のサポート期限が「2029年1月9日」なわけなのだ。
更に、Windows Server 2019にもIE11が搭載されているため、2029年1月9日まで利用できる(だろう)と考えられる。
Server OS | IE | サポート終了日(日本時間) |
---|---|---|
Windows Server 2012 | IE10 | 2023年10月10日 |
Windows Server 2012 R2 | IE11 | 2023年10月10日 |
Windows Server 2016 | IE11 | 2027年1月12日 |
Windows Server 2019 | IE11 | 2029年1月9日 |
企業において、レガシーシステムを使うのであれば、VDIのOSをWindows Server 2019 とかにすれば、IE11をほぼ永遠に使えるわけだが、そのようになってくるかもしれない。まぁ、先のことは読めない。IE11のサポートは当然、どのOSを利用しているのか?に紐づいてくるわけで、通常の業務PCに対して、わざわざ有償のLTSBやLTSCを適用しているなんて、考えにくい。Windows10については、2025年10月14日がIE11のサポート終了期限、社内Webアプリにおいては、この日までに新Edgeへの切り替えが必要になってくる。
ま、Chrome対応にすると良いことだらけだろうけれど、Chromeはどんどんアップデートしており、突然利用できなくなる機能があるなど、社内Webアプリでは致命的な問題を引き起こしかねない。新Edge対応を期待するしかない。
ただ、Microsoft 365 クラウドサービスを利用している企業も、コロナ禍の影響で、激増しているに違いない。そういった企業にとっては、IE11が利用できなくなる内容を周知し、IE11からChromiumベースの新Edgeへの切り替えをIT資産管理ツールとかでプログラムを配信させたりして、広めていく必要がありそうだ。